アメリカでは、動物園のトラやライオンの新型コロナへの感染事例が報告されています。
同じ猫科の動物ですので、子猫への感染が心配だと思いますが、実際のところはどうなのでしょうか?
新型コロナウイルス感染症の患者さんから分離されたウイルスが、猫に感染するのかを調べた研究があり、新型コロナウイルスは猫の呼吸器でよく増えること、接触感染によって猫の間で容易に感染することが明らかになっています。
本研究は、「New England Journal of Medicine 」に掲載されています。
厚生労働省からも新型コロナウイルスに関するペットへの感染についてのQ&Aが出されていますので紹介します。
新型コロナウイルスは、飼育しているペットに感染しますか?
これまでに新型コロナウイルスに感染したヒトからイヌ、ネコが感染したと考えられる事例が数例報告されています。また、動物園のトラやライオンの感染(飼育員から感染したと推察されている)事例も報告されています。ただし、新型コロナウイルスは主に発症したヒトからヒトへの飛沫感染や接触感染により感染することが分かっており、現時点では、ヒトから動物への感染事例はわずかな数に限られています。
新型コロナウイルスに感染したペットではどのような症状がありますか?
これまでのところ、イヌでは明確な症状は確認されていませんが、ネコでは呼吸器症状・消化器症状があったとの報告があります。
新型コロナウイルスが飼育しているペットから人に感染した事例はありますか?また、ペットを飼育する上で注意すべきことはありますか?
これまでのところ、新型コロナウイルスがペットから人に感染した事例は報告されていません。一方で、ネコは、新型コロナウイルスの感受性が他の動物種よりも高いとの報告があり、実験室内での感染実験では、ネコが他のネコに感染させ得るという結果が報告されています。また、オランダのミンク農場でのミンクの大量感染事例では、新型コロナウイルスに感染したミンクから人へ感染した可能性のある事例が報告されています。新型コロナウイルス感染症に限らず、動物由来感染症の予防のため、動物との過度な接触は控えるとともに、普段から動物に接触する前後で、手洗いや手指用アルコールでの消毒等を行うようにしてください。特にペットの体調が悪い場合はできる限り不必要な接触を控えましょう。
新型コロナウイルスはコウモリ由来というのは本当ですか?
新型コロナウイルスの自然宿主は現時点では不明です。その遺伝子配列がコウモリ由来のSARS様コロナウイルスに近いため、コウモリがこの新型コロナウイルスの起源となった可能性が考えられていますが、現時点では明確なことはわかっていません。